となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』 > 経の織物、作り。

2008年07月09日

経の織物、作り。

『今は、経の織物を製作しています。』

と書いても、『経の織物』というのが
分かりにくいかもしれません。
(大きく分けた織物の中では、経錦といいます)

まず、基本的に織物は、経の糸と横の糸(緯糸)
とを使って織ったものです。


そして、織物の『表面』には
経糸・緯糸が交互に出てくるので、

もし、経糸⇒、横糸⇒の場合、
織り上がりの見た目はグレーになります。
(黒色+白色=グレーのような感じ)

これが原則。
(厳密には、糸質等々により大きく変わることも・・・)。


そして、
となみ織物内で主力となっている紹巴織は、

緯糸で経糸を包み隠す織方なので、
上の黒白の例で
いうと、白色になります。

そして、今製作しているモノの場合。
ちょうどその反対の、『黒』になります。
(ただし、経糸に数色使えるので、ただの一色ではない。)

言って見れば、経糸が
帯全体の色目を決める織り方(組織)です。


横糸(緯糸)で色を出す最大の特徴は、
色が調整し易く、
様々な配色をし易いところ。

その代り、何も考えずに設計図(紋図)を書くと、
帯が、重くなり結びにくくなる。

経糸の織物だと、とにかく余分な糸は通さないので、
軽く薄くなる。その代り、多彩な色使いをするには、
頭を捻ってひねって、作る必要あり。

と、全く正反対の織物です。


もちろん、
モノづくりする時もその織方に合わせて、
頭の切り替えをしながら、
製作していきます。


そして、まず一柄目は
『太子間道:たいしかんどう』という柄です。


聖徳太子に由来を持つ、
柄と言われていて、、

千年以上歴史を持つ、定番中の定番のモノです。

ただ、配色をグレーベースに配色をすると、
千年経った今でも新しい感じを受けます。

経錦 太子間道

もちろん、経の織物なので、

『とにかく手に持っただけで軽く感じ、
結び心地も素晴らしい~!』

と評判を頂いてますので、

今後大きな期待を持てる織物です。

経糸が擦れ合って、
絹ずれの音が鳴る、ということから、
名前は、『鳴錦(なるにしき)』といいます。

ぜひ、音を聞いてもらいたい帯です。

それと・・・

昨日アップする予定だったのですが、
京都の七夕の空は・・・

夜空
分かりにくいですが、雲しかありません。。

記憶の中で、
七夕の夜が晴れた記憶が、
ないなぁ?



Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...