となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「帯留め」と一致するもの

2016年02月19日

昨日の続き。

 

スクリーンショット 2016-02-19 17.06.46.png

 

 

と昨日書いていたデザインウィークの展示準備を行いました。
西陣の企業何社か中でのブース展示となりますので、周りと似た感じにならないように、との要望も頂きました。ので、ここはやっぱり
『CandyCircus』で。今のところ帯は2柄しかありませんので、舟田さんにご協力を頂いて作品も並べさせて頂き、コラボ展示となっています。おそらく来られた方には『今の西陣織はこんなのもあるんだ。』と感じて頂けるんじゃないかな?そう思います。

 

横は2mほどのそこまで広くはありませんが、世界観が出ていて、こんな感じと写真も撮りましたが、当日のお楽しみにとして、また後日それはご紹介しますね。

 

その中で一つ、舟田さんから帯以上に絶賛頂いたのが(苦笑)、帯留め。
モレッティ、ノーススターガラスを使って、ロゴにも使われている『船』です。

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この帯留めの後ろには作品や帯が掛かっていて、上からはモビールと。となみらしからぬ世界が広がっています(笑)。
22〜24日まで限定展示です。

 

今後も帯や着物も作りつつ、こんな形で見て頂ける機会が作れればと思っています。

 

 

きものSalon掲載のことはブログ上で明日UP致します。
 →Facebookには今晩UP予定です。

2015年12月21日

名古屋帯。来年への備忘録。

 

これから本格的に作るシリーズの一部は名古屋帯の割合が高いモノも視野に入れています。その土台として、今までの織組織/名古屋帯を使って仕立も含め、細部のチェックを行っています。試験の要素が強いので、柄の一つにはやっぱり南蛮七宝文様が入っています。

L2020371.jpg
【南蛮七宝文様/九寸名古屋帯/紹巴紬】

 

試験と言っても、中心は単純に結ぶこと。結びにくいや重量面に問題があった場合、もしもベテランに結んで頂くすると結ぶ技術や経験でカバーされ、たいへん有難いですが、試験なので困ります。そのため、結び心地、生地具合、仕立ての可否を確かめるため、着物は着慣れているけど、どちらかと言えば名古屋帯が得意でない方にお願いしています。帯留めを入れてみたり、結び心地とはあまり関係のないことも、様々。(ちなみに、この帯留めは漆を重ねって作った檸檬です。素朴さがいい味を出していました。)

 

この試験が終わると、解いた(仕立て済み)帯の雰囲気を見ながら、その場聞いた意見、見た雰囲気・感覚を交えて、これから作る意匠・紋づくりを行っていきます。ただ、今から手を付けてしまうと、確実に年を跨ぐ ⇒ 記憶が薄れる ⇒ 勝手に改変 ⇒ 当初意図とズレる ⇒結果、いい方向に行くことが少ない。と今まではそうでしたので、ここで一旦止めたいと思います。多少、生々しさは薄れますが、できる限り多くの事を記録(写真を中心にメモ)で残しておきます。

 

また、実際に紋づくりを行わなくても、製作予定の図案を検討することができますので、設計部分の余計なことを考えず、集中して、できるモノづくりを進めていきたいと思います。年末は静かに籠もりたいなぁと、でも余計なことしそうだなぁと、まだまだそこまで日はありますが、今から年明けを楽しみにしています(笑)。

 

2015年12月03日

お月。

 

南蛮七宝文様を中核に作る唐長シリーズ。一柄進めば、さらにもう一柄と慎重に製作しています。
先日(と言ってもちょっと前)、唐長修学院工房で見せていただいた作品の中にあった『これは!』、を今帯にしています。

文様は『ヤキモチ版』と言われる小さな版木(写真)の『光悦月(下弦の月)』。その版木を使って、和紙2色に染められ地に、わっと浮かぶお月さま。そんな作品です。じわじわ、じんわり滲み出て来る、柔らかな空気が素敵でした。見ているだけで、まだ帯としなくても、すでに南蛮七宝文様の着物に合わせたい。そう感じた意匠でした。

現状は、紋も出来て、配色を試行錯誤しながら、試験織に突入しています。

 

IMG_40442.jpg
(月の裏です。。。)

 

完成をお見せできるまで、配色に関して詰めなければいけませんが、今回の帯に関しての肝は、織でどこまで表現できるか?糸をシャットルで飛ばして文様を織り成すために設計する、紋作りが最重要でした。

 

和紙の上に版木で文様をのせるため、唐紙で作られた作品は地の色が影響してきます。。織でその影響を濃厚に出すためには、最大限地に使う糸を利用し地を作りながら、本来版木で為される色を緯糸でそっと添える、そんな微細な糸使いができるように紋を設計しています。それに加え、今回に関しては糸と糸の境界線を柔らかくしたかったので、普段使う染み込みの技法に加え、紬糸を通すことで節を利用し、さらに曖昧ぼかしました。上にも書いたように最後の配色がもう少し詰めますが、完成すれば、これ以上引くところが無い、極めてシンプルな帯になってくれそうです。

 

お太鼓にはお月さまがほわ。お腹には紬を通した無地で織り成し、実際に着られる際には、お月さまを振り返ってみる『ウサギを帯留め』で入れて頂きたいと思っています。以前も『南蛮七宝文様×下弦の月』の時にモレッティ硝子を使って、見本的に製作しました。

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今回、もう一度このウサギとにらみ合って、お月さまの光を受けるウサギを作りたいと思っています。具体的には、透明感を強調して作る予定です。

2015年08月03日

渦、渦。

 

総紗縫・黒+』の中に渦柄を作っています。

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人間が作った原始的な柄の一つ(他には縞、横段、格子柄等々)で、シンプルなだけあってバリエーションも豊かです。
今までも帯の意匠として作ってきました。

 

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IMG_6381 (1).jpg IMGP6226 (1).jpg スクリーンショット 2015-08-03 16.43.37.png

 

シンプルでは無いものもありますが、作る方からすると綺麗に渦を巻いているか、強く意識して製作します。
お太鼓として綺麗なことももちろんのこと、柄が大きくなるので、、陳列の際の具合も意識します(苦笑)。

 

自分で製作のモノもまだありますし、会社的には山ほど意匠として残っていても、厭きることはありませんし、
意外にも『今自分は渦柄つくっているんだ』『渦』と意識されにくい、不思議な柄です。

他で言えば、立涌とか、七宝つなぎ、市松等も比較的シンプル柄なはずですが、渦とは同じようには行きません。

 

と何やかんや書きましたが、
一番上にある『総紗縫・黒+』の渦は(写真の様に)シンプルにモノトーンで上げる予定です。
帯留めを入れる余地も作っていますので、この帯を結びたい、そう思って頂ける方、おられると嬉しいです。

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2015年07月30日

次は帯留め・・・。

 

色々とやっていると、まとまった時期に色々な依頼が入ってきます。
今現在は、帯留めを形にしよう制作中です。

 

最近製作を依頼しているモノの多くは、抽象的なモノで(『モアイ』や『ブラックホール』)でした。

次は、(依頼もあり)また以前に戻って再び具象柄を幾つか作る予定をしています。

 

先日、コーディネートされていたのは、砂糖鳥。

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『総紗縫とのコーディネート』

 

総紗縫の様なシンプルな柄には、お腹にこういったポイントがドンと入っても、
コーディネートとして大変面白いです。

 

帯一本でガチっと完成した世界を作るのも、もちろん素晴らしいことです。
また、それとは違って、少し柄に(空間的は無く)雰囲気的な隙を作ることで、結ばれる方の
センスを受け入れる場所を作ることも、時々考えてモノづくりしています。


例えば、帯留めを使って、その帯に無い色を足してみても、面白い。
そんな感覚です。

 

常にその帯留めが無いと困る、そんな制服の様なのは、ダメですが、
帯留めを加えると、ちょっとその帯の新しい顔が出てくる、そんなはありだと思います。

 

言うのは簡単ですので、そんなイメージを持ちながら帯づくりに、依頼を頂いた帯留めも
進めていきたいと思います。

今までの理想は、以前作った下弦の月にウサギなんですよね・・・。

 

2015年06月23日

顔は難しい。

 

織物はどれだけ細かいモノで経糸と横糸の交差点、ドットの世界です。
そのため、ドットで表現となると、どうしても限界がでてきます。

それがモノづくりの面白いところ。その限界を限界と見せないようにどう工夫するか?
モノづくりの大きな醍醐味です。

 

風景でも花柄でも何でも織物で表現するのは難しいモノですが、
特に難しいモノ、それは『顔』の表現。

 

例えば、紹巴織で織ったもの。
『狗児/雪佳』。

紹巴織の微細な織りで糸と糸を絵具のように、色を合わせ、中間色を作ったり、
水でぼかしたような柔らかい表現を織っています。

 

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『狗児/神坂雪佳の世界』

 

この風神雷神も同じく紹巴織。
陰影も糸の合わせ方で全て織っています。

 

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風神雷神/百楽

 

織物以外では、モレッティの帯留め。
これも織物と同じく、職人の技で一つ一つ砂糖鳥の表情を作ります。

 

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『砂糖鳥/モレッティ帯留め』

 

基本的『顔』のあるものはその帯の主題となるものですので、ここが崩れると、
いくら他の背景や生地の感じが良くても、残念な結果に終わっています。

 

自分の場合は、ここの顔の表情部分が一回で決まらないと・・・。
次のドットはもう少し上にして、表情に鋭さを、、あ、やり過ぎた・・。もう一度・・・。
今後は・・・。

と身動きの取れなくなる穴にハマってしまいガチです。

 

そのため、一番始めの紋で決めてしまうように、慎重に慎重に紋作りします。
今回のモノは、こんな表情。

 

一番最初に上がってきた時は、顔の中の目にしか、目が行かず。
他はあまり見ていませんでした(笑)。
 

DSC05697.jpg

 

 

紹巴と比べると、一ドットが大きいため、細部を直すのではなくて、
失敗すると全体のサイズから見直す必要があったので、今回は上手く行って、
ホッとしています。

 

この地に通っている、新しい使い方をしている紬糸にも助けられました。
それはまた別の機会に紹介したいと思います。

 

顔は緊張します。。

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年04月18日

今日の着物。。袷モノがもう少しほしい。

 

3日間の出張が終わり、京都へ戻ってきました。

写真を撮ろう撮ろうと思っていたのに余り撮れず、仕方なしに
今日着ていた自分の着物を撮りました(折角出てきたのに残念)。

 

L1870064.jpg

 

羽織は御召に紬を通した南蛮七宝文様←昨日は立涌地紋の無地。
麹塵染の南蛮七宝御召。角帯は紹巴織の作楽。羽織紐は仙福屋でもお馴染みの
純銀帯留め作家さんに作って頂いたモノ。

写っていませんがお襦袢は若冲の付喪神。
そんな構成です。

 

夏や単衣モノは最近作りましたが、袷モノは何年も作っていので、
そろそろ自分用に。そんなモチベーションでモノづくりに取り組んで行きたいと
思っています。

 

今日置いていたヤヤコシイ紬の着物(もちろんうちのオリジナル。)を見て触って、
何かできそうなイメージが湧きましたので、早いことこの気持のまま、
この辺りをベースにモノづくりをしていきたいです。

 

これくらい短い出張でも、皆さんから濃いお話も聞けて、とても有意義でした。
福岡の皆さん、ありがとうござました!

2015年03月13日

見えていないなぁ。。。とつくづく感じます(笑)。

 

最近は、社内外で使うパンフレット類を新調する等などが多く、
新たに撮る分と以前撮影したモノを上手くミックスして製作しました。

 

今回は使いませんでしたが、例えば京百景や熊野古道等の帯はおいそれとは撮れません。
なかなか出てこない場所にありますので。。。

紋図熊野3 (1).jpg
機会を作って、これはキッチリと撮影して残したいです。

 

 

今回そんな機会もありましたので、保存してある写真をザー〜っと一覧していました(今の今です)。

写真を見ていると、自分の中ではその時のシーンが鮮明でも、昔は意外なほど写真を撮っていないので、
残っていなかったり(問題外ですね・・・。)、撮っている写真も想像のモノとずれていたりと、
正直、困っています(苦笑)。

 

ちょうど今日打ち合わせをしていたWebでも、自分たちが当たり前、
『(業界発想でいくと)説明なしでもいいだろう』という暗黙の了解部分に、
かなりの面白い要素があるということが分かりました。

 

IMG_4658 (1).jpg
『瑞玉の新作を囲んで』

 

バッグや帯留めをスタッフで囲み目の前にして、帯留めだったら、どこが特長なのか?
どこを好きになってもらえそうか?笑えそうな所は?
バッグだったら、この金具は何のために付いているのか?縫い目の色は?形の意味等など、
当たり前の様でいつもはスルーしていて、でも言葉にすると、表し切れない。

話をしていると短時間でもそういうこと山ほどあリ、そのもどかしさが話していると
楽しくもあり新鮮さでした。

 

今後はそこがいかにサイトに表れるようになるか?
重点的に変えていこうと話をしています。

 

人間って見ているようで全然なにも見ていないなぁ、つくづく思いましたので、
いつも見ているようで見ていない部分をどうにかすることを念頭に置きながら、
少々精神論ですが、ちょっと気を入れて頑張りたいと思います!

 

2015年02月17日

むじおびづくり。

 

着姿の顔は『帯』と言われています。
帯を作る立場としては、とても有り難い言葉です。

その時できる最高の技術を詰めこみ、出来る限り手の込んだモノを作るというのは、
それは作り手として、最高の場面です。

ただ、そればかりし続けると、それが普通になってしまい、最高の場面もそうでなくなって
しまうこともあります。その時は、全く反対のことを考え、反対のモノづくりをすると、自分の中の
充電池に充電することができます。

 

そんな時、オススメは無地帯作り。

たとえば、こんな帯。

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着姿の顔は帯に違いありませんが、帯留めや帯揚げに少し助けられ、全体として『帯』になります。

 

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こちらは、帯締めの色が帯の柄のように加わり、帯揚げの縞も帯を『帯』にしてくれています。

 

これらの帯は、通常のモノづくりとは違った思考回路で、気をつけてモノづくりしていかないと、
本当に何も面白く無い、帯になってしまいます。

 

 

しばらく作楽シリーズで製作していたモノは込んだ柄が多く、気を詰めて製作していましたので、
今度は、写真の無地に近い帯を何柄か製作しようとしています。

 

今度は、どう表現するか?というよりも、
どうやって帯締や帯揚げ、帯留めたちに助けてもらうか?入り込めるスペースを作るか?

そんな所に気を払いながらのモノづくりですので、少々頭を切り替えながらになります。
どのように展開するのか、楽しみにしていて下さい。

 

同時並行で、しぼ織でヤヤコシイ物も作っているので、頭が鈍ることはないはずです!

 


 

 

 

 

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2013年12月11日

出張から帰ってきました。

 

昨日まで4日間ほど出張に行っていました。
その間、ずっと強烈な風邪を引きながら、治るかなぁと思いながら、
話をさせてもらったりしていましたが、治らず、今日は声が変です。

 

その出張の帰りに帯留めを作ってもらっている、職人さんの一人に会いに
工房へお邪魔してきました。

 

ずっとバーナーの前で仕事をするので、
暑い地方よりも寒い地方の方が向くのだと、言われていましたが、
確かに火を見て納得してもらえると思います。

obidome.png
モアイを製作中』

特に、仙福屋の帯留めに使う硝子は、日本の硝子を加工する温度よりも遥かに
高く2000℃を超える火で加工するため、見学するだけでも、みんなメガネを
掛けています。

 

硝子と糸とでは、素材は全然違いますが、モノを作る共通点がありますので、
色々と刺激を受けて帰ってきました。

 

後はこの風邪を治して、年末まで頑張って行きたいです。

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2013年06月29日

びわのおびどめ。

 

楽器の帯留めをという注文を頂きましたので、

職人さんに製作してもらいました。

 

ギターやサックス、ホルン、ヴァイオリンも作ってもらいました。

ヴェネツィア硝子などを中心に海外の硝子を使い、繊細なものばかりで、

早く帯とコーディネートされた所を見てみたい、です。

 

ただ、その楽器群に1つだけ、個人的に形が好きな楽器を入れてもらいました。

それは、『琵琶』。

 

DSC00057.jpg

モレッティ帯留め/琵琶』

 

製作の依頼をしたときは、唐突だったようで、『びわ??』

という感じでしたが、上がってくると・・・。

 

丸みがあって、涙のような形は正に琵琶。

個人的にとても好きになれそうです。

 

透明感もあり、色味もケンカする色ではないので、大概の帯には合わせれそう

ですが、本業は帯屋ですので、ピッタリな帯をちょっと考えてみます。

 

どんな帯がいいでしょうね?

 

 

2013年04月03日

目立たない帯、でも。

 

白の地色の中に仄かな色を混ぜこんで織ったため、

写真では色が非常に出にくいですが、白の中にも色のある

不思議な感じの唐草の帯を作りました(写真では伝わりにくいです。。)。

 

IMGP9963.jpg

『作楽/??』

 

地には、4色色糸を使い、白ではない白を。

上に乗っている色の付いた唐草には、白を混ぜて。

 

唐草の大きな輪郭を『普通の白と薄いグレー』で縁取っているため、

何もせず単に置いていると、非常に目立ちにくい帯です。

 

ただ、着物と合わせて動いてもらうと、下から色が照ってくるので、

柄の印象がガラッと変わってくれます。

 

底から照っている色目は、小物を入れると、

顔を出してくれそうなので、新作の帯留めを入れてみて

撮り直すと、多少動きが出てくれます。

 

L1231211.jpg

『作楽×帯留め/瑞玉Cube』

 

このままでも充分、作楽らしい帯になったと思いますが、

もう僅かに配色を変えて、試しに織っているのもあります。

それを確認してからの完成となりそうです。

 

一本仕立てしましたので、また実際結んでもらったコーディネートも

近々紹介しますね。

 

 

2013年01月29日

だれに勧めましょう?

 

最近、『変わったものを』といわれることが多いです。

帯でも、ほぼ口癖で『何か無いかなぁ』というのと一緒に、

『変わったもの無いかなぁ』と思いながら、図案を作ったり、

図案展を見に行ったりとしています。

 

その帯のポイントとして、帯留めでも職人さんにお願いする時は、

同じように『変わったものを』考えます。

 

そして、以前お願いしていて、何度か手直し後、上がってきたのが、

この帯留め。

 

IMGP9336.jpg

 

ぱっと見ただけでは、すぐに何かわからないような微妙な形ですが、

これは『落花生』です。

 

今までのモレッティと同じく全てイタリアン硝子で、

職人の手で製作してもらっています。

(網目の微妙な凹凸もすべて硝子で表してあります)

 

すでにこの帯留めの時点で個性がありますので、

シンプルな綟り織の帯と合わせてみました。

 

L1230023.jpg

モレッティ/落花生と上品綟』

 

三分紐も通していないので、なんともですが、

上手く行ったんじゃないかと、個人的には納得しています。

 

ただ、落花生好きな人に勧めればイイのか?

変わったものが好きな人に勧めればイイのか?

分かりませんが、個性的なモノが好きな方に・・・。

 

 

 

 

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2012年12月11日

しぼしぼの帯、コーディネート。

 

コーディネートしたものとか、お客さんに撮らせてもらったものは、

Facebookへ上げるようにしていましたが、今日はこちらで。。

 

以前、製作していると書いていた象のしぼしぼ帯です。

(象はお太鼓の真ん中にはいないで、馬がいますので、

『馬の帯』でも良いのですが。やっぱり、象の帯です。)

 

表の完成自体は、ちょっと前でしたが、裏地の緯使いや染めの方法等で、

少々手間取って、しばらく裏地のない状態でした。

 

L1180602.jpg

『象のしぼしぼ/作楽×久米島紬』

 

裏の素材と織りを従来のモノと変えましたので、このコーディネートは

試し結びという側面もありました。

 

写真で見てもらっても判るように、お太鼓の形を作るのにも全く問題なく、

新しい試験は上手くいきました。

 

この帯は、しぼを糸の縮みに全てを任せてしまうのでなくて、

かなりの部分を紋を使い柄に応じて糸が縮むように操作しています。

 

伝えにくい表現ですが、仕立て上げ、お太鼓に結んで帯を立てると、

味のある陰影の付いた、立体感が表現できていると思います。

(説得力のある立体感みたいな感じです。。)

 

お腹部分には、腹紋とヴァイオリンの帯留めとのコーディネートをしていますので、

こちらは、近日中に、またFacebookにアップしたいと思います。 

 →http://www.facebook.com/tonamiorimono

 

多くのファンができる組織になることを楽しみにしています!

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2012年11月21日

コーディネート途中で。

 

現在、北海道にいます。

 

この出張は、自分たちで製作したものを見てもらい、意見を頂き、

また次のモノづくりへ、となっていますので最近の良い循環になっています。

 

やはり社内では、実際に作る方にほぼ10割時間を取られるので、

京都では、あまりできないことでは、帯を使った目の前でのコーディネート。

 

自分中心ではなくて、帯を見る方中心で進んでいくので、

新鮮に楽しく、勉強になります。

 

IMG_1256.jpg

 

例えば、この南蛮七宝白大島紬×月読+ミカヅキ帯留め(モレッティ)。

どうしても好きな『月』がモチーフなので、この後どう進んでいくんだろう?

と想像しながら、楽しんでいます。

 

と、こういう感じで滞在中の札幌です。

2012年11月20日

雪の札幌

 

雪の札幌に来ています。

これから紅葉が始まる!という京都からだったので、

寒い寒い。。風邪を引かないように防寒しています。

 

昨日は一日準備でしたので、帯と着物を並べていて、

これいいな〜、と思ったのがこんな組み合わせ。

 

IMG_0015.jpg

『花織御召×木花+純銀帯留め(石付き)』

 

帯の中にブルーを入れて配色していて、もともと石のブルーとの相性も

良いのですが、さらにポツンと利き色になっています。

 

IMG_0024_2.jpg

『縞御召×総紗縫/彩+純銀帯留め』

 

こちらは上とは反対に、シンプルな帯留めをアクセントに。

洒落感の中に、小さなシルバーが入るだけで、全体のイメージの格がUPしています。

 

という風に準備をしながら、楽しんでいます。

今日も予報は雪らしいので、室内で色々組み合わせてやって行きたいと思います。

 

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2012年09月21日

あいまに・・・

 

合間に作ろうと思っていただけでしたが、

話を聞いているだけで、ハマってしまいそうでした。

 

L1000860.jpg

 

正面のカブトムシを作った職人さんに磁器の話を聞いていて、

じっくり腰を据えて、話をして『帯留め』を作ってもらおうと思っています。

 

まだお互い感覚が掴めていないので、素材的にどんな形までできるか、

職人の色はどういった特徴があるのかなど、手探りではありますが、

掴めるまでは、(会社の)机の上に置いておいて、

暇をみつけては眺めたいと思います。

 

上はカブトムシですが、個人的に羊も好きなので、寝れないほどの小さい羊を

作って下さいと依頼しておきました。。。

 

こうなると今度は、またモレッティ硝子の方にも面白いものを

お願いしにいきたくなります。。。

 

 

2012年08月25日

モノづくりを残さないように・・・。

 

土曜日の今日はとても静かな一日だったはずですが、

来週の前半から出張へ行きますので、その準備と、

やり切っておかないと帰って来てから大変なことになりそうな

モノづくりの詰めを行なっています。

 

一つは昨日に続き、しぼ織ですが、

少しPOPな配色を作ってみた試験織りです。

 

IMG_6777.jpg

 

もちろん、これが一本の帯ではなくて、3色織り分けた目出しです。

どの色取って、それで帯一本織っても、今まであまり触っていない色目を

使ったものですので、新鮮さは充分にありそうです。

 

おそらく、帯留めを合わせた真ん中。

の色目が最有力候補です。。。

 

IMG_6779.jpg

 

 

そして、この帯留めは夏らしいといえば、夏らしいのですが、

透明な硝子のいびつな屈折感とブルーとのバランスが好みで、

柄の少し混んだものに合わせて使えば、すっきり感が演出できて、

長い季節使っていけそうです。

 

たまに配色の際に、こうやって小物を上に乗せることがありますが、

何十回に一回かは、その小物の色がパチっとハマって、帯の中の色を

変えることもあります。

 

と、この配色が上手く決まれば、

今考えている新しい織物の柄を考えようと思っています。

 

久々に、夢二辺りから上手くシンプルなモノを作れれば、

と思っていますので、それは出張に持っていて、

移動中に穴があくまで、見ていたいと思います。

 

 

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2012年07月17日

薔薇と薔薇。

 

総紗縫の中でも目立った人気の『薔薇柄』。

さまざまな小物にも、この柄を使い製作していますが、

一つ作りたかったのが、この『帯留め』。

 

薔薇に薔薇です。

 

IMGP8357.jpg

総紗縫/薔薇横段』

 

 

 

 

IMGP8362.jpg

 

色目は、細かく色々と注文を付けましたが、

形は思っていた以上に、手が込んでいて、正に『薔薇』なっています。

 

三分紐には、帯と合わせた時に、少し落ちついたように見えるものと、

合わせると、この薔薇、とても活き活きしてくれそうです。

 

 

この薔薇柄は、さまざまな小物のデザインに使われていますが、

小さいものから、大きいものまで、何処に入ってもシックリとくる、

とてもイイ柄ですね。

 

 

 

 

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 『仙福屋の懐紙挾み』                                                                             『総紗縫の日傘

2012年07月09日

羊の帯留め。。

 

ずっと作りたかった小物です。

 

IMG_5820.jpg

『たたずむ羊』

 

この佇まいと、落ち着いた感じの羊は、昔からとても好きだったので、

ある程度のこういう雰囲気でと、伝えて作ってもらいました。

 

 

置く場所によって、羊の趣が変わるので、

コーディネートし甲斐もあるのでは・・・?

 

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『寝てそうな羊』

 

月と星に囲まれて、もうすでに夜の夢の中にいそうです。

 

 

 

 

FBでは、こちらを載せています。

IMGP8351.jpg

『旅をしている羊』

 

モールの丘をテクテクと旅している羊です。

(もしかして、ラクダの方がよかった?)

 

寝てそうな羊と、頑張ってそうな羊。

 

どちらが好みですか?

 

 

 

 

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羊といえば・・・これかなぁ。

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