となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2014年09月11日

鹿毛引き紬/着物

 

以前発表した通称『うらもおもて』シリーズ。

スクリーンショット 2014-09-11 16.35.14.png

 

このシリーズの特徴は、シンプルな柄を紹巴織で織った帯。
両面を合わせて好きな袋帯にできる。

という帯です。

 

その時にこれらの帯の地に用いてた糸の使い方が、『鹿毛引き織』です。

鹿毛引き(しけびき)というと、鹿の毛で作った細い刷毛で、細かい線、
縞を刷いていくことをいいます。

この織物は、その細い線、縞、筋を織りで表現するために、2本の糸で織る所を
2つに割って、一本ずつ違う糸を織り、刷毛で刷いたような風を作っています。

 

その帯を元に着物で表現したのが、上がりたての『鹿毛引き紬』です。
(写真はその中でも、茶と黒の経をターコイズの緯糸で重ねていったお気に入りの色です。)

 

SDIM0370.jpg

『となみ織物/鹿毛引き紬』

 

緯糸には紬糸を使い、紬の節と温かみを。
反対に経には使わず、紋等を駆使しながら、縞を柄と見立てて、洒落感に傾きすぎない様、
調整をはかり製作した着尺です。

 

紬の温かみと洒落感が出過ぎないようにという、矛盾するような無地の着物で、
今までありそうで無かった着物になっていると思います。

手間はトコトン掛けていますが無地なので、帯が映え、合わせやすい着物です。

 

これの上にさらに柄を入れようかという話もでましたが、この無地の完成度が
高かったので、この無地は無地でオススメしたいです。

 

この生地で単衣の羽織を個人用に作ろうかと検討中です〜。

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