となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

2016年8月 1日

2016年08月01日

16年半期終了、棚卸し

無事、半期も終わり、今日からとなみ織物の下半期がスタートしました。

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『京都本社前』


明日から、東京へ出張、その後も来月9月末までは、めーいっぱい行事ごとが詰まっていて、気だけが先へ行ってしまって、少々くたくた気味です(笑)。

新しいモノづくりの図案はあるので、コツコツ進めていきたいです。
またその辺りもお知らせしますね〜。

2016年7月29日

2016年07月29日

輪宝文で紗を織ってみました。

帯にするかは、ちょっと横に置いておいて、まず色んな試験を取ってみました。

輪宝文』の総紗縫です。

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唐長11代目奥様好みとして、最近物凄く注目されている意匠。
最初の帯は紹巴織で織りました。

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この帯は、南蛮七宝を陳列する際には常に一緒に持って行きます。
唐長文様同士をコーディネートしたりもしますが、この輪宝文、
気がつけば自然に他の着物の上にコーディネートされ、上手く着姿の顔になっています。

その様子はかなり自然に。
文様としての主張はあるのに、どこでも馴染んでしまう。
唐紙で頂いた異なる配色もありますが、全部そんな感じ、ホントに不思議な柄です。

今回は一番上の写真。
総紗縫の輪宝文の試験です。目出し(試験織)で取ったのは6つ、横段になっている部分です。
色と素材を変化させて、柄の見え方、色の出方、素材によっての帯巾は?透け感は?
等々、1つずつ様子が違うので、チェックしていきます。

生地として織り上がっているので、モノづくりの終盤に見えるかもしれませんが、
全体を100とすると55〜60くらいの中盤です。

最初に織った紹巴織とは違い、各織物には表現力に限界、得手不得手があります。
今回の仕上がりを見て判断するつもりでしたが、この総紗縫の帯に関しては、今のところ無地に近い感覚で、
全体の色目を今まで無いような【青】を使って、モノづくりする。そちらへ持っていくつもりです。

おそらく帯まで持っていけると思いますので、仕上がりを楽しみにしていてくださいね。

2016年7月28日

2016年07月28日

テーマは『溺愛』の2文字です。

昨日は8月発売のきものSalon誌に掲載する帯の撮影に参加してきました。

今回のテーマは『溺愛』。いきなりテーマから入ったり、漢字2文字だったり、撮ったイメージの出来上がりも今までとは異なります。

写真をお見せしたい気持ちは、一杯ですが、もう少々お待ち下さい。
意見は割れるかもしれませんが、となみって色々やるなぁ。と感じて頂けるはずです。

ちなみに、カメラはいつものとは違ってLeica(の中でもイイやつ)で色深み、全体の奥行きが、何か違った感じに仕上がっています。

そのため、まだ途中でもモニター上で見ていると、横を通るスタッフからは『お~』『違うね〜。』『これ、うち?』『帯どこ、お~。』等々、いつもと反応が違います。

帯を両手で抱え込むように持ちたくなる、『取っておきの帯』。それが表現できていれば、嬉しいです。

2016年7月25日

2016年07月25日

出張でした。

週末から昨日まで出張に出ていました。
今は後祭りの終わった、日常に戻りつつある京都にいます。

さてさて私の中で、『出張』というと・・・、

 ①産地を回り、新しいモノづくりの打ち合わせ←これは自社帯に合わせる着物が多い。

 ②展示会やイベントへの出張←販売というものが付いて回る。

 ③その他←これから増えそうです。

と今のところ、この3つです。

昔は多かった②に関して、最近は行くことも少なくなり、
今回は本当に久々なので、どちらかというと、『販売』というよりは、『お客さんと話をする』というリハビリに近い形の出張でした(笑)。

7月末でとなみ織物の半期決算なので、気忙しく、ゆっくりとまでは行きませんでしたが、2日半いることができましたし、お陰でモノづくりの軌道修正に繋がる意見も頂けました(主に自分のシリーズについて。)。またとなみ帯のコーディネートも沢山見ることが出来ましたので、これはFacebookやインスタに少しずつUPしたいと思います。

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また、となみFBページの認知度が随分と上がってきましたので、
『喜んで!』と皆さんから協力的にお太鼓の写真を頂けています。
本当に、ありがとうございます。

今週は、沢山の打ち合わせに、Salonの撮影、会合等々ありますし、頑張ります〜。
次はモノづくりをお知らせできると思っています。

少しずつ今の仕事の中で自分のペースができ始めたので、
もう少し色々な『出張』へ出れるように時間を使いたいですね。

2016年7月20日

2016年07月20日

久々の更新/夏しぼの新作途中。

一週間ぶり、久々の更新です。
その間、ちゃんとモノづくりも進めていましたが、8月と9月にあるイベントの段取りで、ここの所あまりメーカーらしくない動きばかりです。

このブログやとなみFBページもそうですが、帯メーカーが何をしているのか?どんなモノを作っているのか?等々をを伝えること。僕の中で優先順位の高い、ほとんど永遠のテーマのようなモノです。今回やることは、随分苦手な分野ですが、頑張ってやっていきたいと思います。

なにをするのか?、というのはまたお知らせしますね〜。はぁ~(苦笑)。

さてさて、モノづくりはというと・・・。

一つ新作の『しぼ織』が上がってきました。

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『Candy Circus(アネモネノクモ)/夏しぼ』

しぼ織という織物は、普通の帯よりも一つ手間を加えて完成させる帯です。まず御召緯を使い通常よりも広い巾で製織します。その後織った丸巻き上のモノをお湯に浸け、キュと糸が縮む力を使って、帯巾を縮めることで、帯地表面にしぼを作る。そんな織りの帯です。

ちなみに、この帯地表面のしぼを作るために、御召緯の代わりにナイロンの糸を使い、それに熱を加えることで縮ませ、類似のモノを作る。そんなのもありますが、風合いが固いですし、何か違う気がします・・・。折角だったら、似たものでなくて、全く違うモノを作ったほうが良いような・・・。

この帯も基本は御召緯を使って、お湯に浸け、しぼを作ることは同じ。違うのは、全体にしぼを付けるのではなくて、花弁部分にしぼを集中させ縮めることで、ボリューム感と面白みを作るようにしました。

また、しぼ織を作るベースの考え方として、縮む御召緯の特性を、いかにコントロールして『柄や文様』を作りだすのか?が基本です。

この帯では図案の面白みを活かしたいため、敢えてコントロール部分をほとんど考えず、思い切って開放してみることをコンセプトにしています。『一体、どうなるんだろう?』ちょっと無責任の様に(笑)始まり、当然のように最初失敗しながら、次はちょっとだけコントロール⇒チェック・・・、を繰り返してここまで来ています

結んで頂いても大丈夫ですし、縮み具合や紋の具合に関しては問題ありません。後は配色、お湯に浸ける際の細かな問題を一つずつ解決してければ、帯として皆さんに見て頂けると思います。

写真の帯から箔を変え織った二本目も上がってきましたので、また実験し、チェックし、修正を繰り返していきたいです。真夏に結んでもらうには少々遅い完成になりそうですが、夏にも結べるということで、できるだけ長い季節結べる配色のものも考えていきたいです。

CandyCircus
 ⇒https://jp.pinterest.com/senpukuya5/candycircus/

2016年7月13日

2016年07月13日

祇園祭、山鉾建

山鉾が建ち、京都市内中心部は至るところ通行止めとなっています。

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(室町錦から見る菊水鉾)

この前後、業界的には人が集まるので展示会をされたり、車が通れないので休みにされたりと対応は両極端ですが、この時期は特別な空気が漂います。

この室町から西陣まではちょっと距離があります。また昔の流通で行くと、メーカー(西陣)⇒産地問屋(西陣)⇒集散地問屋(室町)と、こちらもちょっと離れています。そのため具体的な影響はありませんが、この時期は少しそれに引っ張られて、静かで少しソワソワ雰囲気になっているような気がします。

となみ織物では、この祇園祭も帯の意匠にしています。少し前に制作したものですので、帯の重量面はそこまで考慮入れられておらず、金銀糸は盛り沢山、細部までの表現のための糸、ボカシで使う糸と、見た感じ持った感じも、かなりのボリュームを感じます。

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 ⇒祇園祭(facebook)

先日、Facebook上でアップしましたので、皆さんからどんな反応を頂けるのか、楽しみです。

2016年7月11日

2016年07月11日

廃盤・・・。

こう書くと少し悲しい気持ちになりますが、今まで織れてきた、作れたモノが出来なくなるので、実際にそんな気持ちです。原因は色々あります、職人がいなくなった、機や素材が無い、等々。特に、今はそんなことは日常茶飯事的に起こり得ます。

今後も織っていきたいモノに関しては何とか、織り組織を変える等で対応していきます。同柄同配色で極力近づけていきます。ちなみに、雪佳/海路横段はこのタイプです。

その際は同柄なので図案は要りませんが、意匠図(紋図)は一からの制作です。折角作り直すのであればと、元よりも良いモノになる様に作り変えます。元の帯と同じようなモノづくりでも、前より良く。と、ちょっと矛盾したモノづくりですが・・・(苦笑)。

今日は、既に廃盤となった帯を出してきて、これをベースに新しいモノづくりにできないか?と検討していました(折角なのでFacebookでも使う予定です)。

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『総紗縫』

総紗縫を織る前に経糸自体を雪輪に染めて、織ったモノです。
織った後は結ぶには問題ありませんが、織る段は難しく、難モノだらけに(正反率1割程度・・・)。途中、経糸を裁断⇒廃盤にしたものです。社内には写真のようにキズ物だけ残っています。

今日のように、時々倉庫から出してきては眺めて、打ち合わせに使う等をして、失敗は今のモノづくりに活きていますし、これからも活かしていこうと思います。

2016年7月 6日

2016年07月06日

南蛮七宝/綿薩摩を仕立ててみる

東郷織物の綿薩摩を使って制作した南蛮七宝文様の着物。
サラッと書くとそれまでですが、よくよく考えると、とても贅沢ですし、作った時も何反物かボツになったりと、結構大変でした(不思議と、それが今ではイイ思い出と話のネタになりつつありますよ(苦笑))。

綿薩摩を使った着物=いい物に違いない。
とイメージも出来ますが、実際にこの着物に関しては自分が着るイメージはありませんでした。(反物の幅が、自分には全く足りないこともありますが・・・。)

だからこそ(笑)、仕立ててみました。
(そのための工夫は色々として仕立ててあります。)

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『上:三重紗、下:綿薩摩/南蛮七宝』

着物が仕立て上がってくる度にすることですが、時期が袷モノであろうが夏物であろうが関係なく、まず羽織る。そして、しばらく重みを楽しみながら、季節にあっていない(この着物の場合は、単衣時期。だから、本当はちょっと遅い)着物の場合、そこまで。あとは、粛々と畳んで仕舞います。

ですが、この綿薩摩の場合、その季節も無視したくなります。無視して、(帯は結ばなくても)そのまま羽織って、座って、くつろいでいたくなります。

浴衣としては、かなり勿体無いにしても、サラサラした紗の夏襦袢を着て、羽織は羽織らず、建物に入ったら着ようか?そうだったら、着ていけそうだなぁ・・・。

と妄想が広がっていく綿薩摩の南蛮七宝着物です。

私物として、意外に早く登場しそうです。

商品としても、もう間もなく登場です。

2016年7月 2日

2016年07月02日

2016 '7 唐長修学院、訪問

唐長11代目の修学院工房へお邪魔してきました。

IMG_6751.jpgのサムネイル画像

その都度の打ち合わせとは今回は違って、年一回必ず節目に行う打ち合わせです。
年に一回といっても、もうすでに20回を超えていますので、モノづくりの積み重ねを感じます。

この時に行うのは、今後の方針について。
今回は、それに加えて【左うちわ】&11代目奥様の【自分史】の話が加わり、昼過ぎから夜手前までお話を伺うことができました。

ちなみに、
【左うちわ】

スクリーンショット 2016-03-15 11.01.43.jpgのサムネイル画像

【自分史】

L2200117.jpgのサムネイル画像

ちなみに、うちわは全て手で一つずつ唐紙を制作されているもの。
自分史は800部限定と両方とも、書店や普通のお店では手に入らないモノです。

この2つの商品に関してのとなみ織物の窓口・お問い合わせ先はコチラです。
 ⇒info@kyo-tonami.com

今回の話の中で感じたことは(個人的には主題だと思っています)

(一言で言い表せるほど軽くないので言葉自体はでませんでしたが)
『本物』を強く意識して、自分たち原点のモノづくりへのコダワリをもっと尖らせる。
そのために、やらなければ、行けないことがもっともっとあるのじゃないか?

ということです。

また、こういう打ち合わせや会議だと、色々なことに遠慮して、大体が現状の追認となってしまいます。
今回の打ち合わせでは、そんな『追認』という言葉は無く(苦笑)維持すべき部分は維持しつつ、
なあなあまでは行かないまでも、今あるモノづくりのただの延長みたいなモノに関しては、本筋から逸れるので、
軌道修正を行うべき。そういう話も頂きました。

まだ、自分の中で消化できていないことは、これから時間を掛けて行います。
これからの唐長コラボ、おそらく色んな意味で濃くなっていきますので、楽しみにしていて下さい。

2016年6月30日

2016年06月30日

2016'6 奄美研修。

ブログは久々の更新です。その間、毎年恒例になりつつある奄美研修へ行ってきました。今回は、初奄美のスタッフも一緒に行きました。彼は、それなり勉強もして基本知識は十分にあり、商品としての大島紬に関しては、これ以上ないくらい扱ってきたスタッフです。

その彼が、実際に現地で、自分の目で見て、奄美の空気を感じて、モノづくりを体感しました。知識がある分、今まで点であった様な内容が一つずつ頭の中でくっついて、線になり、それが広がって、またくっついて面になる。そんな感じを受けて来たようです。

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また、この研修で訪れる場所は、休眠しているわけでもなく、実際に現役でバリバリと使われている工房、泥田に直接行って体験を行います。

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そこにバリバリの職人さんもおられますので、貴重な時間を割いてもらい、作業を見せてもらったり、自分でもやってみる。しかも、工房内でピリピリの緊張感の中で・・・。勉強にならないはずはありません。

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現地の方の話によると、全く普段は使っていない泥田にそのときだけ職人を呼んできて、モノづくりをここでしている様に見せかけることもあり、それを取材や撮影等で使うこともあるそうです。こういう話を聞くと、テレビや雑誌などを通して見られた方が、本物はこんなものか・・・。と思われるのではないと、本当に残念です。

唐長さんの時も書いていましたが、簡単に本物が失われてしまう時代です。その流れが一度出来てしまうと、逆らうのはとても難しいことですので、自分たちはできるだけ早めに、本物をちゃんと伝える。ということをやっていきたいと思います。

研修は奄美だけでなく、自分たちの本拠地西陣、その他の産地も行っていますので、絶やさず継続して、本物を伝える努力をしていきたいです。どの産地へ行ってもそうですが、毎回そう思います。

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