となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

2016年11月26日

2016年11月26日

CandyCircus3のお腹『作品』

明日からの『打ち合わせ中心』出張に備え、モノづくりはこの数日間、少々滞り、それ以外の仕事、撮影や会議、資料作りなどを中心に行っていました。


『撮影』はカメラ好きなので、ストレス無く、(そんなこと、しなくても良いのに 笑)敢えて課題を課しながらでも、楽しめるものの、それ以外は、特に資料作りなんかは困難に困難を極めています(苦笑)。


何か頭の中にあるものを喋って、自分の思った通りに伝えることや、メールや紙にでも、文字、絵、何でも良いので書いて、伝える。いやー、なかなか難しいですね。

帯だったら、(絶不調なとき以外であれば)頭の中にある形にするのはそう難しくないのに、う~ん・・・。と呟きながら、ちゃんとすることはした数日間です。


そんな真っ只中、届けて頂いたのが、


DSCF2246.jpg

CandyCircus3の『蝶々』柄、お腹部分の元になった作品。


それをしばらく見て、お腹だけでなくて、お太鼓に持ってきたいなぁ。そんな帯には、今作っている名古屋帯の織組織がイイかなぁ〜。それか紗にしようかなぁ。このまま利用して、半巾もおもしろかも??

と今ある問題をちょっと横に置いて、帯を想像しているだけで、少し気が楽になりました(笑)。
やっぱり、わたしには帯作りが向いているのかもしれませんね〜。

2日間ですが、明日から行ってきます〜。

タグ:

2016年11月22日

2016年11月22日

牡丹唐草①。型の前段階と白生地。

長い目で言うと400週年に向けてのモノづくり、その一部を新たに始めています。


唐長さんの中にある650の柄から、12代目と先日選んだ3つの柄(牡丹唐草、枝桜、瓢箪唐草)。
それを今から帯や着物、小物の形にしていきます。

その一つ目、唐長文様『牡丹唐草』。


IMG_8961.jpg
(白生地と右は唐紙を元に制作した型を作るための前段階)


最初のイメージに引っ張られることもあり、帯から?着物から?小物から?と数ある選択肢の中から、
『これから始めよう。』と決めるのは、意外なほど大事なこと、です。

その意味から帯のイメージがまだ固まっていない段階で、始めると後々苦労しそうなので、
まずは一番ニュアンスを掴みやすい着物作りからスタートしています。
その後、帯かな・・・。

(昔から帯にしたかった柄なので、ホントは帯から・・・の気持ちがありますが)

型が上がってきて、どんな風に上がるのか?
その段階の打ち合わせを入念に終わりましたので、そちらは後祈るだけ・・・。

次に、写真にあるように生地と、配色です。

着物としてはもちろん、唐紙の雰囲気も残しつつ、上品で色は柔らかく、使いやすくて、
ここぞという時にも出てきそうな着物。

気持ち先行で、まだまだ最終の仕上がりまで時間掛かります。

それまでに、見本で染めること、その前に型を見ること。それを元に、配色と生地の地風で雰囲気を考え修正をしていきます。
『やった。出来た〜。』といえるまで、上記のイメージを何回も頭で唱えつつ、後は進めていくだけです。

楽しみです。

タグ: ,

2016年11月21日

2016年11月21日

雪がある時でも外へ行ける様になる草履。

『京都は雪ふらないしなぁ』と言われた所からスタートした『防寒草履』のモノづくり。
今年も少しだけ新作が上がってきました。


スクリーンショット 2016-11-21 13.37.40.png
→FB防寒草履へ(結構写真だけでも評判良し、です。)

モノづくりの最初は、滑り止めは素晴らしいけど、台の高さが足りない。
(京都人、雪=滑る、が一番怖いところ。でも、そこまでは積もらない、だからかな?)。

反対に草履台が高すぎると、雪に足(草履)が取られて、かえって危険。
また、ある程度以上積もると、それから先は長靴履くから、それまでの草履が欲しい。
などなど台の高さだけでも、一つ聞くと20〜30は意見を頂けました。

さらに、ちょうどその頃、ある程度の期間、雪の降る地方に出張していたこともあり、
その時に聞いたことを形にしていった型が、現在のモノになっています。

スクリーンショット 2016-11-21 10.01.35.png

ちなみに、この仙福屋の防寒草履、ほかとの違いは『最大限に帯地を使う。』こと。
花緒だけ帯地を使って、台には他から見つけてきたものに挿げる。そんなものがほとんどです。
そうしてしまうと、カバーは面積的に大きいし、花緒の大部分は隠れてしまいます。

せっかくの帯屋が作る草履として、それは嫌だったので、帯地が活きる様に考え、最終的に
帯地をコーティングしたモノでカバーを作ることにしました。

今ではこの『せっかくの帯屋が・・・。』と思ってこだわった部分。
ここが、この草履の特長として活きていますので、拘っては、ごねて(苦笑)良かったと思います。

皆さんが雪の日に着物で外出することが、
少しでも億劫じゃなくなれば、このモノづくりは大成功です。

生地やコーティングの問題、台自体の制作は早いものではありません。
少し作っては展示会に出したり、UPしたりしています。
 →https://goo.gl/XmtTFr(仙福屋の防寒草履へ)

タグ: ,

2016年11月18日

2016年11月18日

唐長さん打ち合わせ。今月その2 2017〜の打ち合わせも

今月は2回目となる12代目との打ち合わせ。

机の挟んで瓢箪や雀形、南蛮七宝などの唐紙や帯を目の前にしながら、話すべき点が数多くフワフワと出てきて、それを一つずつ片付けていきながら、最後にわーっと一気に集約する。そんな濃い2時間です。


世間話の雑談が、いつの間にか今後の重要なモノづくりの話になり、少し俯瞰してみた戦略的な仕事の話が、気付いたら趣味の話にもなりながら、結局そこにいる全員が見ている部分は、本物を来られた方に伝えること、そこに向いています。


DSCF2090.jpg

例えば今回は、名古屋帯で登場する予定の『雀形七宝』を帯と唐紙、同じ空間に展示したいため、唐紙制作をして頂くことになりました。ただ単に文様がある、それを帯にした、のではなくて。大きさも色も雰囲気も様々あるこの雀形七宝、その中から着姿に映える大きさ、雰囲気、帯であれば織組織、それが様々な雀形の唐紙を見て、感じて頂きたい、このコラボだからできる帯、それが伝わるようになれば、と考えています。

知れば知るほど、世界にハマりこんでいきますが、
それを『柄だけ』の上辺でなく、織物の組織から活きてくるように、
今までも意識しているのですが、知れば知るほどやりたいことが山ほど出てきます。

ちなみに、雀形七宝は帯にするとこんな雰囲気になります。
(着物の上から身体にあててみた状態です)

R0230321-2.jpg

タグ: ,

2016年11月17日

2016年11月17日

堀川通のイチョウ並木

今年も恒例、会社近所の堀川通のイチョウです。

いつもと様子が違うのは、
現在、水道工事中ということで赤いコーンとイチョウがずらーっと並んでいます。


DSCF2142.jpg

『なんでイチョウが黄色くなかというと、元々葉の中ある緑と黄色の物質のバランスが崩れて、
本来強いはずの緑が薄くなって、黄色が表に出てくるんやで。』と、
こないだ聞いた知識を確認しに(笑)イチョウの中を散歩していました。

そして、ちゃんと、じっと、よくイチョウを見みると、
黄色で地を染め、上から緑を置いた反物の様に下から黄色が滲み出てきたかの様に
表に来ようとしています。

DSCF2132.jpg

そんな時考えることは、紹巴織で織るんだったら・・・とか、

そう言えば、麹塵染めをした糸も、元々色はあるけれども光の波長で見える色が・・・。
等々書いてしまうと『帯関係の話で、何かを例えてばっかりやな。』とまた言われてしまうので、
止めておきます(苦笑)。

そういえば、唐長さんのはんなりとした色づくりの話も、
何色かを混ぜて、色通しのバランスで表現すると言われていました。

自然の色は配色時には、いつも意識して取り入れる様にしていますが、
新しい知識を入れて見てみると、新しい表現が作れそうな気がしてきますね。

また、頑張ります〜。

タグ: , ,

2016年11月16日

2016年11月16日

紅葉にハマる。

昨日の午後、橋本関雪さんゆかりの月心寺で着物撮影をさせて頂きました。
場所は京都市と大津市の間、逢坂の関です。


IMG_8973.jpg
大津絵の帯も制作していますので、思わず反応してしまいます。)

ここで撮らせて頂いたのは、結城紬にしぼ織『Rococo』を合わせたコーディネート。
お茶席ではD型バッグ(だて)や数寄屋袋。それと羽織も・・・。

京都市内の紅葉がおそらく来週くらいが一番のピークだと思いますので、
車の中では『もう一週後だったら、最高やのになぁ・・・。』と言っていたら・・・。

この通り。

DSCF0197.jpg

午前中は雨だったお陰で、苔の濃いみどりに、オレンジ、赤。
空気中の塵も落ちたのか、濃厚な紅葉に囲まれてしまって、しばらくは本目的の撮影を
忘れて、パシャリパシャリ。完全に紅葉に呑まれていました。

池の中の鯉と水面に映る紅葉を眺めたり、見上げるお茶席と紅葉の赤に見とれたり・・・と。
しばらくは違う方向へカメラが向いていましたが、ちゃんと気を取り直した後は(苦笑)、
帯、着物、小物の撮影も十分に撮らせて頂きました。

いやー、ホントに秋ですね。
昨日撮った諸々は、後日少しずつ紹介させて頂きますね。

2016年11月15日

2016年11月15日

オッティ退院

帯地を全面に使って作るクマ(オッティ)。
唐長さんところに居候?している『輪宝文オッティ』がお直しから、
退院してきました。


今月17日唐長さんに帰るまで、2日間ほどショールームにいはります。


DSC02721.jpg
(ちなみに、制作には表地一本丸々使っています)


となみ本社向かいのショールームでは、この超ビッグサイズが3つ(人?、匹?、頭?)
その他、中小サイズ、しゃねこ、うま、ひつじ、さる、と群れになっています(苦笑)。

干支は揃えたいと思っていますが、
そろそろ、『何屋さんですか?』と言われそうですね(笑)。

Pinterest『オッティ』
 →https://jp.pinterest.com/senpukuya5/オッティ/

タグ: ,

2016年11月14日

2016年11月14日

南蛮七宝文様の広巾ショールを男物として・・・

ショールにストールにスカーフに、コート以外の防寒用の何かを南蛮七宝で。
と相当ざっくりとした依頼をもらうことがあり、制作した大判のショール。

作りはじめから、1年以上経ちました。


最初から『こんなのが欲しかった』と、好評を頂いたこともあり、必要以上にこねくり回さず、
(いつもであれば、試行錯誤したりしますが)今のところ、モノづくりし始めた状態、
一番シンプルな形を保っています。

スクリーンショット 2016-11-10 17.08.23.png

もし、このショールをどこかの展示会に持っていた場合、
説明としては下記のような感じです。

文様は『南蛮七宝』。素材は絹100%。

特長は帯も隠れる大判。生地自体、透けるかか透けないか、ぐらいの薄手で織ったため、
単衣シーズンに、コート代わりとして。
生地表面には、縦シボをつけ、シワになりにくい。
また今の季節であれば、そのシボに空気を貯め込み、温かい。

4つ折りにすると、マフラー代わりにも・・・。

スクリーンショット 2016-11-10 17.11.23.png

先日、朝7時から24時くらいまで、文字通り一日中、着物を着ていました。
しかも、天気予報では寒い。

とあったので、試作&撮影用の一枚を(写真の薄グレーです)使ってみました。
一番最初の試作段階を使った感想や買って頂いたお客様からの反応は知っていても、
今回に関しては自分で使ってみるのは初めて。

最初は、一年経ったので改善点が見えてくるか?
一応、女性を念頭に作ったものなので、なにかその面で自分が使うと、
不都合がでるのか?
もしかして、そもそも似合わない?(笑)などなど、頭を過ることは沢山ありましたが、
使ってみた結果、相当自分も欲しくなりました(苦笑)。

引染めバージョンではなくて、浸け染で染めようかな・・・。
個人的には藍の濃い色でと。。。真剣に悩んでいます。

タグ: , ,

2016年11月 8日

2016年11月08日

お太鼓トートを使っています。

帯を使った小物作りの場合。
できるだけ早い段階で、帯地が日常の生活の中に普通に溶け込んで『素敵』とか『わたしも持ちたいなぁ。』、『いいなぁ(憧れ)』になれるようにしたい、と思っています。


そんなことで、小さな第一歩。
自分でも『お太鼓トート』(色は茶)いつも持ち歩いています。
ちなみに、この色です(一応リンクを貼っておきますね)


DSCF0201 (2).jpg

このバッグは、見た目の形が非常にシンプルなので、あまり手が掛かっていないように(試作は大量・・・)言われます。が、元々イメージしていたモノから、色んなモノを削いで試作、削いで試作と作り続けて、今の形に落ち着きました。


形だけではなくて、持ち手も帯地から、合皮、化繊などの見本作りを通って、今の配色の革に(となみブルー)。サイズも1.5倍くらい(帯地に足す)から、半分まで試作作り。ポケットの数なども検討事項の都度、怪しい、分かりにくい部分は実際に試作。

最後の決め手、拠り所は、名前にもある『お太鼓』という言葉。
帯地を使うので、大事にすることは、やはりお太鼓。それが意匠の魅力を一番引き出すはず。それを基準にサイズ、使い勝手諸々を検討して、今に至ります。

(南蛮七宝はまだ良いですが・・・)相変わらず毎回勿体無い、と言われるのが、裁断部分。4m50cm前後の帯地から、お太鼓を切り出すように裁断します。ムダもいっぱい・・・。
でも、それが一番良いなら、それをするしかない。それもこのバッグ作りにも生きています。

今の使い方としては、メインのバッグにカメラなどの嵩張るもの。
このお太鼓トートに、Mac,iPad、書類等々という風に。『もう一つ、バッグ持つよりも、荷物減らしたら?』と言われていましたが、このバッグを持つに当たって、しばらく容れ物にまだ余裕があります(笑)。

タグ: , ,

2016年11月 5日

2016年11月05日

この前の続き/南蛮七宝の上に(下に)来るもの。

唐長文様『南蛮七宝』のモノづくりとして、帯、着物、襦袢、小物があり、
帯・着物でも、どちらか一方を南蛮七宝にすると、もう一方をどうするか?


自分が着物を着るときも、(軽く悩んだり)考えるところです(笑)。
南蛮七宝が好きなので、着物も帯も襦袢も、羽織も草履もそれで行こう〜。
もちろん、そんなときもあります。

ちょっとそれは、やり過ぎ・・・。の声もあるし、じゃ次は一箇所くらいは遠慮して、
他の柄で。そんなときもあります。(もちろん、全くどこにも入らないことも。)

南蛮七宝を一箇所でもコーディネートに入れるのであれば(それが多くても少なくても)
できれば、着姿全体を唐長の文様の中で、解決させてしまうこと、できないかな?
と思っています。

DSCF0317.jpg

そんなことをして絶対に欲しい、ではなくて、これからのモノづくりのキッカケとしても、
面白いですし、同じ世界観の中で、完結させる。結構なチャレンジになります。

今まであれば、帯と同じモチーフの着物を帯着物のセットで、はありました。

そこを進化させてしまって、
同じ世界観で、できれば唐長さんの様な根っこがしっかりした意匠と考え方に基いて、
帯や着物、小物を制作していく。(大変でしょうが)かなり楽しそうです。

DSCF1060.jpg

つい先日上がってきた『光琳大波』帯バージョンを南蛮七宝文様の御召の上に
乗せたとき、少し感じた事が、昨日唐長さんのお話を聞いていて、より強く、
思ったところがあり、こんな風に書いて残しておきます。

さてさて、どうなるでしょうね(笑)。

タグ: , ,

Instagram

tonamiorimono

  • 和小物専門オンラインSHOP
  • となみ帯
  • Facebook

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...