となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2016年06月16日

上品綟と総紗縫

ここ数日特によく触れるのが『上品綟』。織物の的には綟り織の一つ、夏の代名詞『紗』の一つです。

となみではこの上品綟の他に、総紗縫という紗の一種がありますが、こちらは改良しすぎと言っていいぐらい徹底して、作り込んでいます。そのため、よく言われるのは『えっ、この帯、紗?』と。そんな風に仲間とは思って頂けないことが多いのです。それに比べて、上品綟もとなみ独自の改良を加えていますので、世間の紗よりも、遥かに豊か表現力を持ってはいますが、まだ『紗』の原型が残ります。

ですので、この上品綟が完成した当時は、となみ織物モノづくりのベテランにとって、長く織っている総紗縫よりも、まだ日の浅い上品綟の方が目新しさを感じていました。そうは言っても、世間は『紗』が残る上品綟よりも、原型がほぼない総紗縫に新しさを感じる。この2つのギャップは最初のモノづくりでは、非常に難しい問題でした。(例えば、総紗縫は無地に近いものでも、お客さんの反応は、お~凄い。となるのに対して、上品綟の場合は、かなり凝ったものでも、お客さんからは、どこかで見たことあるかも・・・。と言われてしまったりしたことも。)

そこから様々な情報を加味し、モノづくりを濃く絞ることで、上品綟自体の良さ、らしさ、織物としての特性を掴み出すことができました。それから、上手く回りはじめ、最近の強みが目立つ織物に進化したような気がします。作り手からしても、実際には『この織物でしか出来ないこと』、当然なんですが、それがちゃんとしていないと、モノづくりしていても楽しくありませんし、続きません。

DSC00587.jpgのサムネイル画像
『右も左も織物は上品綟』

先日の撮影会はそんな空気もでき始めたのか、総紗縫よりも多くの上品綟を撮すことができました。こうなると、今度は総紗縫!と、また総紗縫モノづくりも盛り上がっていきそうです。

ありがたい事に進めたいこと一杯です〜。

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