となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 色の整理=廃盤作り

2016年05月11日

色の整理=廃盤作り

 

試験織(目出し)というと、初めて織る織物の具合をチェックすることです。
意匠図を作った後、それがこちらの意図通り織れているのか?を見ます。ごく稀に頭の中では全く気付かなかったこと、例えば十センチなら何とか織れても、帯一本分は織れない、ことがあることも。綺麗に織れた様に見えても、織りクセが出ていたり、と意匠図(=設計図)が出来たと安心していても、意外にチェックすることは多いです。

 

そして、この試験織のもう一つ目的は、色を見ること。意匠図作る、織りのチェックする、問題ない、じゃ次はというと・・・。
具体的に色を配置して、全体としてどういう色の雰囲気を織り出せるか?の確認で織ります。そして、帯は大抵の場合、イメージの中にある色を何色か試して、そこから1色もしくは2色くらいに絞って、最終帯を織ります。

これが織りの場合、(特にうちは文様がシンプルなモノが多いですので)10数色を織ってから、どうしてもダメなもの以外は残します。いいモノを残すか、ダメなものだけを省くのか。帯と着物の配色選択、アプローチとしてはちょうど反対です。

 

IMG_6155.jpg
『輪宝文様/着物試し織』

 

さらに、新しい地色の帯が出来ると、そこに合わせる着物の色を増やしまいますので(苦笑)、気がつけばエライことに・・・。例えば最初は5色でも時々の追加で、いつの間にか倍の10色になっていることもあります。

 

そんなこんなでモノづくりとして増やしていくのは良いのですが、あまりに増えすぎると『えっ、こんな色織ったかな?』になり兼ねませんので(台帳を見れば分かりますが、それではダメですし・・・)、その色数を整理をしていました(これではイカンと、かなり久しぶりに)。

 

IMG_6154.jpg
『濃地の選択中』

 

まずは、南蛮七宝文様から。最初に色数を決めた時から追加していく度に、真剣に選択しての20色を超える色数です。
絞る(=廃盤を作る)というのは、至難なことでしたが、結果14色(薄地7、濃地7)に。

 

また少しずつ色が増えて、それを絞る。それを繰り返して行き、その時に応じた色を常に意識して、織ってしまったものはそのまま、という惰性のモノづくりに成らないように、手を入れて行きたいです。選んだ色はまた、見て頂けるようにしますね。

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