となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 視点を変えるキッカケ。

2015年03月25日

視点を変えるキッカケ。

 

 

意匠は夢二モチーフ。

間の取り方、配色、織組織を作楽なりアレンジ製作した袋帯。

 

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作楽』袋帯

 

帯は、①目出しなどの短い試験織、②帯一本として見る完成段階、③撞木に陳列して見る
④そして結ぶ。

同じ意匠の帯でも、多くのパターンで表情を捉えることができます。

 

 

作り手が全てを把握している、そんなイメージもあるかもしれませんが、
図案から何から何まで作っても、自分たちが把握できるのは、3つ目の陳列まで。

 

4つ目の結ばれた『帯』は、お客さんに教わることが、本当に多いです。

 

その帯を好きになって購入された方の結び方を見ると、作る際に、完成→着姿を入念にイメージはしていても、
着物のコーディネートから合わせる帯締めや帯揚げ、お太鼓の大きさ、全てから学ぶことができます。

 

最近は出張へ行くことが少なくなったので、大事にしたいです。

 

 

他にも、自分で作った帯が小物になった時。

本来着姿をイメージして製作したものが、また違う人の手を経て、帯とは違った形で表現されると
これも帯を見る視点が変わり、学ぶ所は多くあります。

 

 

IMG_4434.jpg
『ダテ型バッグ』

 

たとえば、このバッグ。

お太鼓(一番上の着姿)では通常右側が重くなります(ちょうど写真が切れている部分)。

 

そこに注力して柄を置いていきますが、
下のバッグでは反対に柄がない部分に視点を置いています。

 

自分で製作したものが、帯職人とは違った職人の手が入り、裁断・縫製、
そして最終の形が変わる。


どんな僅かな部分でも、雑に作られてしまうと、本当に腹が立ち、悲しくなりますが、
どこからどう見ても、帯地へ敬意を払って頂き、丁寧に一つずつ作られた。

 

モノからそんな気持ちを感じた時は、本当に嬉しいです。

最近、学ばせてもらっています。

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