2013年09月17日
織組織
昨日は台風で京都は大変なことになっていました。
多くの方から、心配メールと電話、本当にありがとうございます。
少し前のゲリラ豪雨で社内の一部(自分の机の上ですが・・・)が雨漏りした際に、
修理していたのが良かったのが、特に大きな被害はありませんでした。
たまたま、この日は北へ行くことがあったので、雨が小降りになったのを確認し、
しばらく経ってから、車で移動していましたが、途中の賀茂川の増水は今まで
見たことが無い様子でした。
結局、この辺り賀茂川は第一堤防を超えたくらいの所で止まったそうですが、
自然の脅威を感じた一日でした。
その次の日(今日)ですが、昨日の自然のマキシマムな所から、
いきなりミニマムな『織組織』についてで、モノづくりを行っています。
おそらく何度も書いている『織組織』ですが、どこまでも奥深く、完璧には理解し難いモノです。
簡単に言えば、経糸と緯糸(横糸)との関係性のこと位のイメージで良いと思います。
基本的な織組織には、平織、綾織、繻子織。というものがありますが、
となみ織物では、そのままの織り方で織るのではなく、それらを複合した、
織組織で帯を織ります。
この織物は有名な『錦織』。綾織りの一つ。
帯の3大要素は『色・柄・組織』と言われ、
色や柄と比較すると、パッ見では判りにくい部分ではあります。
ただ、色味の発色、素材の選択、お客さんが結ばれる際の風合い、どれに取っても、
重大な影響を与えるベース部分なので、メーカーとしては最大限気を払うところです。
写真のモノは、南蛮七宝を今までの組織の中に、今までの糸使い、但し織り方を少しアレンジして、
製織したものですが、発色は良いものの、糸がこの織物の容量を超えたらしく、生地はパンパン、
ハリだけの織物になってしまいました。
糸数を減らしたり、無地部分の糸の綴じ方を変更したりする必要がありますが、
新しいことをすると、一度で上手く行くことはほぼありませんので、ルーペを持って、
織物と糸との間で、悩みたいと思います。
この辺りが恐らくモノづくりで一番手間と時間のかかる部分です。
ゆっくり急ぎたいと思います。