となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > > 織組織

2013年09月17日

織組織

 

昨日は台風で京都は大変なことになっていました。
多くの方から、心配メールと電話、本当にありがとうございます。

少し前のゲリラ豪雨で社内の一部(自分の机の上ですが・・・)が雨漏りした際に、
修理していたのが良かったのが、特に大きな被害はありませんでした。

たまたま、この日は北へ行くことがあったので、雨が小降りになったのを確認し、
しばらく経ってから、車で移動していましたが、途中の賀茂川の増水は今まで
見たことが無い様子でした。

 

IMG_1772.jpg

 

結局、この辺り賀茂川は第一堤防を超えたくらいの所で止まったそうですが、
自然の脅威を感じた一日でした。

 

 

その次の日(今日)ですが、昨日の自然のマキシマムな所から、
いきなりミニマムな『織組織』についてで、モノづくりを行っています。

 

おそらく何度も書いている『織組織』ですが、どこまでも奥深く、完璧には理解し難いモノです。
簡単に言えば、経糸と緯糸(横糸)との関係性のこと位のイメージで良いと思います。

 

 

基本的な織組織には、平織、綾織、繻子織。というものがありますが、
となみ織物では、そのままの織り方で織るのではなく、それらを複合した、
織組織で帯を織ります。

 

IMG_1781.jpg

この織物は有名な『錦織』。綾織りの一つ。

 

帯の3大要素は『色・柄・組織』と言われ、
色や柄と比較すると、パッ見では判りにくい部分ではあります。

ただ、色味の発色、素材の選択、お客さんが結ばれる際の風合い、どれに取っても、
重大な影響を与えるベース部分なので、メーカーとしては最大限気を払うところです。

 

写真のモノは、南蛮七宝を今までの組織の中に、今までの糸使い、但し織り方を少しアレンジして、
製織したものですが、発色は良いものの、糸がこの織物の容量を超えたらしく、生地はパンパン、
ハリだけの織物になってしまいました。

 

糸数を減らしたり、無地部分の糸の綴じ方を変更したりする必要がありますが、
新しいことをすると、一度で上手く行くことはほぼありませんので、ルーペを持って、
織物と糸との間で、悩みたいと思います。

 

この辺りが恐らくモノづくりで一番手間と時間のかかる部分です。
ゆっくり急ぎたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...