となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2012年03月10日

こうなることはたまに・・・。

 

図案を作って、紋(意匠図)を作って、目出しを作って、

帯を形にしていきますが、途中でドンと壁に当たることが

あります。

 

図案の場合、一番最初の工程なので、ここで止まると、

ある意味どうしょうもないのですが、多いのがイメージとのズレです。

『これはすごい!』という良いアイデアが頭にあったとしても、

それを形にした瞬間、陳腐に思えてしまい、

ガラガラと崩れていくことがあります。

(まあ、たまにですが・・・。)

 

その際は、あきらめることも出来ますが、冷却期間をおいて、

深呼吸。落ち着いてから、原点に戻って作り始めると、

比較的うまくいきます。

 

次の紋図製作の場合は、元の図案があるので、まずストレートに

図案に向かい合って作るのであれば、そうそう問題も起きませんし、

起きたとしても時間を掛けて、1つずつ解決できることが多いです。

ただし、この工程はある程度経験がないと、帯まで行き着きません。

(わりとの中級者までは、壁すらわからないことも・・・)

 

そして、配色。

ここがドンと当たる頻度が一番多く、逆に詰まりたくない所です。

 

作った紋図を元にする工程なので、人が作った紋図だと、

心の中で『なんて配色しにくいんだ。。。』と呟くこともできますが、

殆どの場合、自分の紋図を使うので、そんなことはできません。

 

また、ここまでの工程を終えていたら『やっぱり、これはだめ。』

とする訳にも行かないので(たまにありますが・・・。)、

とにかく一度壁に当たると、とことんまで引きずり悩みます。

 

IMG_3463.jpg

『作楽』

 

写真はその最近の例ですが、一番右の図案と配色に使った糸とを、

 

穴が開くほど、見つめて比較しています。

 

最終わりきって、『もう、これでいい』となると、やっぱり織ってから、

後悔することになるので、気が済むまで、特に後から気になりやすい、

細部には、余計に気をつけてやっています。

 

もちろん、これだけやって、お客さんから『この色もうちょっと・・・。』と

言われることもありますが、気が済むまでやっていると、

『そうですか、じゃ次に織るときに試してみます。』

と素直に聞けるのが不思議です。

 

もし、簡単に割り切っていたら、『図星・・・』、

となるのかもしれませんね。。。

 

それにしても、上の帯には久々に困らされました。。。

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