2011年04月14日
そういう柄。
長く帯作りをしていて、
いい意味でずっと残ってきた帯があります。
最大限、想像力を使って考えて、修正を繰り返して、
新しい柄を毎日のように作っています。
なので、普通に考えて、今製作したものが一番良いものが
できるはずです(そう思ってやってます)。
もちろん、今までにないやり方で出来るものもあるので、
イイものが多いのも事実ですが、その新しい波に負けず
その中で何年何十年も生き残っていくのもあります。
たとえば、この柄もそうです。
『麹塵染:乱菊』
通常、何年も織って古くなった柄は、旧柄と言われることが多いですが、
この柄は、そういう範囲とは違って、柄名で呼ばれます。
(この場合だと、『乱菊』という風に)
また、『定番』という呼び方もありますが、
なぜかあまりそういう呼び方もされません。
こういった柄は、メーカーの人間にとって、
本当に宝です。
よく唐長さんの柄を見たり、帯にして製作していても
同じことを思います。
『南蛮七宝:角帯』
南蛮七宝の柄を帯や着物にして、数年(十年に近い)経ちますが、
だれも、『昔の柄やな』とは言いません。
反対に、『最近の柄って粋やね。』とは良く言われますが・・・。
シンプルなものは多いけれども、意図的には作り出せずに、
何年もして、いつの間にかそうなっているものなので、
作り手としては、やっかいなモノなのですが、
やっぱり大事です。
こういった柄は、毎日の積み重ねなので、
今日も積み重ねていきたいと思います。。。