となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 宿題一つ目。

2010年01月28日

宿題一つ目。


昨日名古屋へ行ってきて、
ちょっとした宿題をもらってきました。
宿題は、相当溜めてしまう方なのですが、
今回だけは早めにしておきます。

ということで、臨時で新柄の紹介を・・・
R0010233.jpg

織物自体は、『総紗縫』シリーズです。
一番新しいといっても、おかしくない柄で、
自分では見落としていました

となみ織物では、モノづくり(配色や織、素材等の指示)後、
上がってきた帯は、毎朝モノづくり社員が一同に集められた所で、
目の前を流れて行きます。(※流れる=丸巻きを転がす)

自分が関わってる柄以外は、そこでチェックします。
この場では、少しだけ人にモノづくりのキッカケを渡す
こともできますし、反対にもらうことも出来ます。

特に新人さんとかは、ここから気を入れて、
見落とさないように、帯を記憶して行きます。

ですので、出張などで会社から出ていると、
『新柄がわからない~!』という状態もあります。
最近はPCもあるので、減ってきましたが・・・。

と長々と言い訳を書いていましたが、
この柄、流れてきていたのに、見逃していました。


それで、この柄のためにも責任を持って、
少し説明しておきます。

この柄は、かなりアレンジしてありますが、
大きく分けると、『鎧(よろい)』柄に入ります。
昔から存在している、古典柄の一つです。

鎧というと、戦争の際に身を守るもの
柄の意味もそこから出てきて、身を守ってくれる。
というものです。

ただ単に、実用性だけでなくて、武者を美しく
着飾ってくれる
ものとしても大事な役割を果たしていました。
この帯も同じように、橘や亀甲、唐花、萩、紅葉など、
の日本古来の柄が沢山入っています。

鎧柄は比較的礼装用の帯に使われている柄ですが、
うちでは、シンプルな配色と、多様な草花柄を入れつつ、
鎧らしくない鎧柄でTPOも幅広く結べる、
という感覚を大事に製作してみました。
作者談:ちょっと文語にしました。)


こんな総紗縫の柄ですが、この柄はじっと見ていると
様々な柄が発見できるので、なかなか見ているだけでも、
楽しめます。


他にも、モノづくりの宿題を頂いてきましたので、
これらは、今から掛かるモノづくりなので、心地よい?
プレッシャーを感じながら、製作していきたいと思います。

それも、総紗縫関係です。


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