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前田育徳会

加賀藩主・前田家に伝わる美術工芸品を所蔵する、前田育徳会の典雅なる名宝コレクションから幻の美術工芸品を収めた「百工比照」にモチーフを求め、これらの至宝を前田育徳会監修のもと織に結晶。
余情豊かな色彩、様式美、意匠から、夫とともに生き抜いた奥方たちの、心模様が偲ばれます。
馥郁と桃山文化の香り“百工比照”
  文化がもっとも華やかに花開いた元禄時代、加賀藩主の前田家5代目綱紀が収集した和漢洋にわたる書籍などを集めた工芸品コレクションに「百工比照」というのがあります。この「前田家伝来コレクション」は、三代の利常以来代々にわたって集められたコレクションを収蔵する前田育徳会の監修のもとに作品化したもので、「百工比照」にモチーフを得てなったものです。
  金具類のひとつ擬宝珠(「百工比照」より)
江戸時代の名コレクター“綱紀”
  綱紀は収集係を設定し徹底して収集を行わせたばかりか、本来は武具・刀剣などを生産していた「細工所」を大名調度を中心に生産する施設としたほど熱心なコレクターでもありました。
絢爛豪華なコレクション“金具類”
綱紀自身のネーミングによる「百工比照」の収集品は工芸の諸方面にわたっており、蒔絵梨子地塗色類、馬具類、革類、金具類など十七種類におよんでいます。なかでも金具類は、屏風長持金具、彫金押金、引手、釘隠、取手など今日の石川県における伝統工芸のルーツともなっているほど。
  金具類のひとつ引手と釘隠類(「百工比照」より)
大名たちの垂涎の的だった“前田家調度
  ここに掲げた金具類はその一端ですが、いずれも王朝世界に憧れた桃山文化の名残をとどめ、当時の大名たちの垂涎の的ともいうべき豪華絢爛かつ精巧なコレクションとなっています。
  金具類のひとつ双寿帯鳥釘隠(「百工比照」より)
金具類のひとつ七宝花籠釘隠(「百工比照」より)