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堀 柳女の世界

愛らしく時には神秘的に語りかけるように微笑む人形たち。
江戸時代に花開いた御所人形から今日私たちが目にする近代的な人形作りが行われるようになったのは、昭和初期に入ってからのことでした。
堀柳女は竹久夢二をはじめ、新進の創作者らとともに芸術運動を起こし、人形創作を芸術の一分野に確立した先駆者のひとりです。
生来の旺盛な研究心と鋭い感性で、情趣ゆたかな作品を次々と発表し、衣装人形作家として昭和の時代を晩年まで活躍しました。
衣装人形とは、その名の通り布地で作った華麗な衣裳を身につけた人形のことですが、柳女は衣裳のみならず、髪飾りから履物まで何もかもにこだわり、自分の手作りで柳女ならではの世界を創りあげています。東洋の古典、中世日本などの時代風俗などをモチーフに手掛けた作品は幻想的な魅力にあふれ、今もなお深い情感を感じさせるとともに時代を超えた瑞々しさにあふれています。


堀 柳女 
略年譜
1897年  東京生まれ。実家の柿内家は旧佐倉藩士。
       四歳の頃、堀家の養女となる。
1930年  竹久夢二らと人形制作グループ「どんたく社」を
       結成し、銀座資生堂で発表。
1933年  第一回個展を銀座三越で開催。
       西沢笛畝によって「新衣裳人形」と命名される。
1934年  野口光彦、鹿児島寿蔵らと甲戌会を結成。
       人形制作の芸術活動を起こした。
1936年  第一回帝国美術院展に初入選。以後、毎年入選。
1949年  第五回日本美術展に出品した作品が特選となる。
1951年  第七回日本美術展で、審査員、無鑑査となる。
1955年  「衣裳人形」で重要無形文化財保持者(人間国宝)
       に認定される。
1956年  第一回人間国宝展に出品。以後も精力的に出品。
1966年  日本工芸会の理事に推挙される。
1967年  紫綬褒章を受賞。
1973年  勲四等瑞宝章を授与される。
1977年  日本橋三越にて傘寿記念作品展を開催。
1983年  日本橋三越にて堀柳女小品展を開催。
1984年  逝去。

ある劇

 

姿

椒房