作品紹介

漢錦(あやにしき)

1,200年以上の歴史を持つ西陣の中でも、初期から織られている経錦(たてにしき)という織を元に、となみ織物が織り成すシリーズです。この織物は、歴史を遡ると紀元前200年頃(今から2,000年以上前)、漢(いまの中国)ですでに織られていた技法で、『経糸(たていと)』を複雑に上下させることで、柄を作ります。現在の緯糸(よこいと)で柄を作る織物が主流の今としては、極僅かしか織り手のいない、幻といって良い織物のひとつです。この経錦は歴史上、様々な工夫をされ織り続けられてきましたが、となみ織物でもこの織物の欠点ともいわれる織物の単調さを克服し、新たに『漢錦(あやにしき)』として、再設計しました。『漢錦』は、経錦の良さである風合い、生地感の薄さ、経糸で作る絹の発色の良さはそのままに、通常の2.5〜3倍大きなジャガードを用い、意匠の細部まで作り込めるようにして、単調さをなくしました。そのため、他の織物とは違う存在感と結び心地を持った新しい帯となっています。

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