2018年4月11日 20:30

さくら色の特別な襦袢

先日お客様と唐長12代目誠次さんところへお邪魔した時の話。
南蛮七宝文様を中心に、唐長文様の帯や着物のモノづくりをはじめたこともあって、 誠次さんがお客さまに見せて下さる版木は、その『南蛮七宝』のモノです。

そこにのせる色は季節なのか、たまたまある染料なのか、気分なのか、その全部なのかもしれませんが(笑)、仕上がった唐紙はいつもお客様からは『うわぁ~、きれい~。』と歓声があがります。

その日の唐紙の色は、桜の季節に合わせて(だと思います)さくら色。

DSC00002-39.jpg

版木に色をのせ、和紙を置いて、手がふわっとのることで、作られた唐紙は版木を離れると、淡いさくら色だったのが、時間が経ち少し水分が飛んで和紙に染料が定着しはじめると、
だんだんと色が濃くなっていきました(この瞬間が私の一番すきなところです)。

お客様も、この日のさくら色に惚れられ、最後は『このさくら色で襦袢がほしい。』と。今までしたことがなかったことですので、一瞬戸惑いましたが、 とても美しい桜色だったこともあり、一期一会的なこの日一日限定色の襦袢にしてしまうことに。

誠次さんからは、完全に乾燥した唐紙を頂き、今は生地(えぼし襦袢)と色との間で、染屋さんと打ち合わせをしている最中です。桜色もそうですが、文様の底にある本物の和紙の色を出すのも、なかなか難しく、さくら色と合わせると相当やりがいのある仕事です。

最終的には色をそのまま生地にうつすのではなく、雰囲気も一緒に白生地に染めたいので、実際の唐紙よりもほんの僅か薄く色を入れたら、上手くいきそうな感じもしたり、これから検討するところは沢山あります。

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