2017年5月23日 23:47

手に取ると夏の帯/作楽(雲龍)。

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ほんの何週間か前までは、『袷でも何とか行けるかなぁ?』と言っていたのに今は(自分も含め)みなさん夏物に目が向いています。頂く問い合わせも、いきなり薄物、夏物ばかり。まだ5月ですが袷の影は大変、薄くなってしまいました。最近、帯を撮ろうと帯を選んでも、気がつけば夏・単衣ものばかり。そのうちから一本紹介します。

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『菱格子/作楽(雲龍)』

この帯のシリーズは『作楽』。これらは、スタッフが『五代目が制作している』帯のシリーズと紹介してくれています。この作楽シリーズは、図案→意匠図→試織と通常のモノづくりと同様ですが、制作し終わって、ある程度期間が経ってから、人気が出始めます、すぐじゃなくて(苦笑)。最近はその間隔にも慣れてきましたので、そういう生産体制にはしています。

ちょっと話はそれましたが、この帯もその例に漏れず、制作してしばらく経ってから人気になっています。ただ織ってから、この織手さんが引退されので、もう今は織れません。そういう意味で非常に残念ですが、たくさんある夏単衣の帯の中から、この帯を選んだだけあって、魅力にあふれています。経糸にはパッと見ても分からない様に特殊な金糸を使います。ちょうど絹と半分ずつくらい。そうすることで絹だけの素材感と違う変化、シャリ感を付けることができたり、織り上げた後、経糸を動かしたり、そこには作楽ならではのこだわりも入れていたりします。

この意匠は残しておきたいので、他の織物へ変更することも考えましたが、たとえば上品綟等では今のところ面白くないため、当面この意匠はこの帯だけ・・・。デザインから織りまで、こだわって作った思い入れのある帯なので、嬉しい反面、この柄を伝えるためには、織りを変更する手立ても考えていく必要があります。

織り内部の難しい話は、ここでは書くべきなのか、避けた方が良いのか?今のところ、判断がつきにくいところですが、今のところ、たまに登場するくらいの頻度でとおもっています。

明日は、飛行機の苦手な人と飛行機で出張へ行ってきます(笑)。

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