2012年07月13日
スペシャルな大島。
南蛮七宝大島に続き、現在制作しているのが、
このリング糸を入れた大島。
直線の糸ではなくて、一本の糸にループになった糸が絡みついているような
特殊な素材です。
この糸、面白い特長があって、糸単品だと、それ自体細いこともあり、
非常に切れやすいです(糸を引っ張ると、解けるように抜けます。)
ただ、一旦織ってしまって一枚の生地となると、
打ち込みの加減もあり、絡みつくように、とても粘りっこい、
丈夫な織物になります(普通の大島地よりも強そうです。)。
大島は大島紬と紬が名前についていますが、紬糸を使っていません。
明治中期までは、紬糸を使っていたそうですが、
この糸を使うと、その頃の風が。
着ると、このリング糸独特のハリ、弾力があり、体に沿って、
着やすい着物になります。
昔は、少量でもこの糸が使われて織られていたそうですが、
最近ではほとんど死滅状態で、原料も全く無い状態でした。
今回は、となみ織物の感性を加えての復刻となります。