画家、詩人・夢二の本領は時代の生活感情を反映しながらも、藤島武二や青木繁の浪漫主義を受け継ぎ、それに世紀末的に耽美主義、懐古趣味、異国趣味を持った表現にあった。漂泊の人生を送り、郷愁と憧憬を日本画、油絵、水彩画、木版画にあらわし、詩や童謡にうたった。つぶらな愁いをおびた”夢二式美人”は多数の夢二画集や雑誌を通して、大正期の大衆の心をとらえ、
1913年作の《宵待草》の 歌は大流行した。しかし、生前は、独学の大衆画家であるゆえに画壇からは無視され、正当な評価を得たのは第二次大戦後である。1914年 東京・呉服橋に「港屋」を開き、自ら千代紙や半襟などの小間物の図案を手がけ、楽譜のデザインをするなど、生活美術、
商業美術の先駆者でもあった
よみがえる夢二ロマン
今から80年前、豊かな才能に恵まれたロマンチストが、近代化を歩む日本を駆け抜けました。その名は「竹久夢二」。抒情溢れる画家・グラフィックデザイナー・詩人です。1920年代の日本は、現在私たちの営んでいる都市生活のスタイルが確定した時代であり、その新しい風を『大正モダニスム』と呼びました。その象徴的な商業デザインの旗手を夢二は担いました。モダンとかハイカラという言葉をビジュアルで表現しリードしたのが、他ならぬ夢二の画業といって過言ではないでしょう。
描かれた夢二美人は、共通して、儚くて、着崩れて、やるせなく、退廃的な匂いさえかすかに感じさせます。夢二の優しさ、懐かしさ、溢れる詩情に注目し、心を込めて、現代の夢二美人のために、楽しく制作致しました。
|