柿渋染


太陽の色

柿渋染めとは、渋柿がまだ青柿の時分に採取し、それを熟成させ染めに使います
色を定着させるのに、1年以上かかり、今現在では本物を作れるお店は数件しか残っていません。
古来より人の知恵として、防虫・防水・防腐に優れた効果があり数多く利用されています、また色合いは大変味わい深い自然の温もりを感じさせる色目です。

作り方:
渋柿を八月末から九月中旬の青柿の頃に採取。
これを臼に入れつき砕いて搾汁(一番渋)し、搾りかすは再度つき砕いて少量の水を加え、二番渋をとり冷所において熟成させます。

効能:
防水、防腐、防虫作用が高く、十世紀頃には漆の下塗りに使われていたことが古文書に残されています。近年、日本の伝統・文化を見なおす気運の高まりの中、また依然根強い自然志向、本物志向の中で、防虫・防水に優れ、味わい深い色合いで自然の温もりを感じる。また「柿渋」は科学的にも体に良い優れた効用があることも分かってきています。

「となみ帯における柿渋ついて」
拘りの素材へ

となみ帯の柿渋は、上質の和紙の上に柿渋を何度も重ねることにより箔を作り、帯に織り込みました。柿渋は防水・防腐・防虫の効果があるといわれ、かつては家具や漁の網、うちわにも使用されていました。世間では、手間をかけない、濃度が低く、色目だけを似せている柿渋の商品(着物やバックなど)がありますが、実際には柿渋を数%ほどしか使用していないものがほとんどです。となみの柿渋は非常に濃度が高いので、初めの内は柿渋のにおいがするほどです。 その和紙を、帯としての色彩を定着させるのに、さらに1年寝かせ確実に定着したものだけを引箔として使用します。すると深い味わいがドンドン出てきて、いい色合になっていきます(革製品のよう)その為1枚1枚がこだわりを持った数少ない素材へと変化していきます。
においは時間とともににおいはしなくなりまが、色合いは使い込むほどに色・艶の奥深さが出るのが特長です。
数十年後、娘さん等に受け継ぐ場合、母親の愛情や生き方が歴史を重ねる如く伝わることでしょう!
 

その歴史に
1)日本酒と柿渋 2)酢・醤油と柿渋 3)漁業と柿渋 4)養蚕と柿渋 5)漆器と柿渋
江戸時代以降、日本酒の製造工程に於いてモロミを搾るのに柿渋で染めた袋が使用されました。毎年シーズン前に柿渋をそめることから杜氏の仕事が始まったと言われ、それを何年も繰り返した物が酒袋です。今では酒造りも機械化され、酒袋も使用されることはなくなりました 酢や醤油の製造工程に於いても同じように柿渋を塗った袋が使用されました。 投網などの魚網に柿渋が利用されてきました。昔はあちらこちらで漁師さんが網を繕い、柿渋を塗る姿を見かけました。又、柿渋で染めた綿糸が釣り糸にも使用されました。今では化学繊維が主流になり、柿渋は殆ど使用されません。 柿渋を塗った紙の上に桑の葉を敷き、蚕が飼育されました。 漆器の下塗りとして柿渋が利用されていることは意外と知られておりません。当時は漆の方が柿渋より高価であったことや、漆よりも柿渋の方が扱い易いということもその理由かと思われます。今では下塗りも減っているようです。
6)和紙と柿渋 7)和傘と柿渋 8)うちわと柿渋 9)染料と柿渋 10)塗料と柿渋
和紙に柿渋を塗る方法で盛んに利用されていました。京友禅や小紋などの型紙や、伊勢型紙が有名です。又、衣服としても利用されました。厚紙に柿渋を塗り、乾燥させた後で揉み上げて柔らかくし、露に晒して柿渋の臭いを取って衣服を作った。元々は律僧が用いたものだが、後には一般にも利用され元禄時代には結う遊里などでも流行したそうです。 今でも番傘の竹の骨の部分に柿渋が利用されています。余り発色しないように新渋といわれる搾りたての柿渋が使用されています。 柿渋を塗ったうちわはその強度を増すことから強い風を起こすことが出来るので渋うちわと呼ばれ、今でも重宝されています。 うなぎの蒲焼の風景を思い浮かべてみて下さい。 染料として利用された歴史は古く、現在ではその微妙な色合いと独特の雰囲気が人気を呼んでいます。 古くから家の柱、床梁などに、又桶や籠などにも使用されてきました